企業不祥事が多発している。最近では、雪印乳業の品質管理、三菱自動車工業のクレーム隠しなど、モノづくりの代表的企業が、これまで築き上げてきたブランドや信用を一気に失っている。
企業はこれまでにも、危機管理や不祥事防止関連のセミナー等に参加し、倫理綱領やマニュアルを作成した。しかし、いくらマニュアルなどを作成しても、企業不祥事は簡単にはなくならない。企業内部から発生する不祥事は、非常に人間くさい部分を含んでおり、すぐにマニュアルで対応とはいかないためだ。
また、企業を取り巻く環境も日々変化しており、情報化やグローバル化に伴い、顧客ニーズの重視による在庫リスク、市場相場変動による金融リスクをはじめ、企業内部だけでなく、企業外部や組織など、これまでにはなかったリスクが想定される。ただ、これらのリスクは、うまくコントロールすれば大きなビジネスチャンスにつなげることができる。
そこで、多様化するリスクから企業を守り、逆にチャンスに変えることのできる内部監査の手法を示した。企業内部、外部、企業組織に発生すると思われるリスクをコントロールし、ビジネスに生かす内部監査は、まさに“経営そのもの”である。
第1章 いまなぜ内部監査か
- 内部監査が脚光を浴びるようになった理由
- 理由1
- 「倒産=粉飾決算」という常識
- 理由2
- 市場経済は自己責任が原則
- 理由3
- 「リスク=チャンス」の時代
- 理由4
- 経営判断に不可欠なのは会計監査+内部監査
- 理由5
- 内部監査の最終目標は「企業価値の最大化」
第2章 内部監査は企業不祥事をどこまで防げるか
―内部監査の機能と限界―
- 危機管理とリスク・マネージメント
- 危機とリスクはここが違う
- リスクの分類
- 企業不祥事はまずい経営の積み重ね
〜リスクコントロールの失敗事例〜
- 日本企業で不祥事が起こるしくみを探る!!
- 理由1
- 集団主義的意思決定
- 理由2
- 企業依存症
- 理由3
- 環境変化に対する不感症〜ソニーの成功例に学ぶ〜
- 理由4
- 機能不全の自己規律システム
- 理由5
- 成長神話が生む、問題先送り体質
- 理由6
- 資本主義国なのに社会主義企業
- 理由7
- 処罰が甘い
- 理由8
- 最後は判断力と責任感の問題
第3章 グループ経営における効率的な内部監査の手法
―社内ポリスからグループコンサルタントへ―
- 従来の内部監査の実情
- 内部監査=不正摘発
- 三様監査=“三者三様監査”〜会計監査や監査役との連携なし
- 変わりつつある内部監査〜これからの内部監査機能〜
- グループコンサルタントとして必要な要素
〜米ユニシス社の例から検証〜
- 専門的知見を確保する方法
- 精神的独立性を確保する方法
- 企業倫理
- 内部監査部門と監査役との連携プレー
- 日本の内部監査システム
- アメリカのトライアングル監査体制
- ドイツの三和音監査体制
- 他の内部監査統制機能との連携プレー〜パートナーは誰?〜
- おわりに―旧財閥のグループ監査体制作りに学ぶ